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属人化した業務、システム導入の前に「見える化」から始める理由

2026年10月9日 by
属人化した業務、システム導入の前に「見える化」から始める理由
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「あの人が休むと、この仕事が止まる」。業務の属人化(特定の人しか手順やルールを知らない状態)を、私たち marutto は人の問題というより、業務の流れが誰にも見えていない状態の問題だと考えています。

属人化に悩むと、新しいシステムを入れれば解決する、と考えがちです。ただ、その前に 1 業務の流れを 1 枚に書き出しておくと、導入でつまずきにくくなります。後半では、自社で書き出すときの手順も紹介します。

この記事の対象読者

Excel・紙・口頭の連絡で業務を回している、製造業・物流業などの中小企業の経営者・工場長・所長・DX 担当の方。


目次

1. 「あの人が休むと止まる」業務、心当たりはありませんか

  1. 2. 業務が見えないまま放っておくと、何が起きるか

  2. 3. システム導入の前に、業務を見える化しておく理由

  3. 4. 自社で始める見える化:最初の一歩

  4. 5. よくある質問(FAQ)

  5. 6. まとめ

1.「あの人が休むと止まる」業務、

心当たりはありませんか

業務の属人化とは、手順やルールが特定の人の頭の中や手元の Excel にしかない状態です。生産計画・配車・荷主ごとのルールなど、製造・物流の現場にもわかりやすいサインがあります。

製造・物流の現場向け:6 つのサインでセルフチェック。

次のうち、いくつ当てはまるか数えてみてください。

  • ● 予定表は Excel。「最新版」がどれか、探すところから始まる

  • ● 受注から出荷まで、同じ情報を 3 回入力している

  • ● 進捗はホワイトボードと口頭確認。工場に行かないと納期が答えられない

  • ● 生産計画は特定の担当者頼み。休まれると誰も代われない

  • ● 翌日の配車は、ベテランの頭の中。その人が休むと組めない

  • ● 荷主ごとの締め日や単価のルールは、担当者の頭や手元の Excel の中

2 つ以上当てはまったら、業務の全体像が誰にも見えていない可能性があります。Excel や紙を使うこと自体は悪くありません。困るのは、全体が見えないまま担当者の頑張りで回し続けることです。

経理の管理職の 9 割近くが「あの人しかできない」業務ありと回答

経理部門の管理職 221 名を対象にした調査では、87.8% が経理業務に「あの人しかできない」属人化業務があると回答しています。そのうち 98.5% が、課題や危機感を感じていると答えました。

出典:NTT データビジネスブレインズ「経理管理職 業務悩み調査」(2025 年 7 月)


経理に限らず、手順が人の頭の中にある仕事では、同じことが起こりえます。部門をまたいで情報を受け渡す製造・物流の現場では、全体の流れがさらに見えにくくなることがあります。

2. 業務が見えないまま放っておくと、何が起きるか

業務が見えないまま放っておくと、担当者が休むたびに仕事が止まり、手間や課題が誰にも見えないまま積み上がっていきます。

● 担当者が休む・辞めると、その業務が止まる

生産計画や翌日の配車のように、手順が「その人の頭の中」にある業務は代わりがききません。担当者が急に休めば、その日の仕事が止まってしまうこともあります。本人も判断の手順を言葉にしにくいため、退職や異動のときの引き継ぎ資料がなかなか作れません。


● 二重入力や「探す時間」が、見えないまま積み上がる

同じ情報を何度も入力する。最新版の Excel を探す。納期の確認で工場へ電話する。一つひとつは小さな手間でも、毎日くり返されます。流れが見えていないと、その手間が誰の負担なのかもわからず、減らす対象にならないままです。


● 課題が多すぎて、どこから手をつけるか決められない

流れが見えないまま年月がたつと、Excel・紙・個別のシステムが入り交じり、課題どうしが絡み合っていきます。困りごとは挙がっても、それが業務のどこで・なぜ起きているのかがわからないため、優先順位がつけられません。「課題が多すぎて手がつけられない」まま、改善が後回しになっていきます。

3. システム導入の前に、業務を見える化しておく理由

業務の流れが見えないままシステムを選ぶと、何が必要かを見極めにくくなります。先に業務の「いまの姿」を描き、どのシステムにするかは最後に決めます。

● 業務が見えないまま要件を決めると、つまずきやすい

業務システムの導入でつまずく原因のひとつに、業務の流れを整理しないまま要件(システムに求める機能や条件)を決めてしまうことがあります。


業務が見えていないままシステムを選ぶのは、採寸せずにオーダースーツを注文するようなものです。どの工程で何の情報が要るのかがわからなければ、必要な機能を正しく伝えられません。導入後に「実際の流れと合わない」と気づくと、やり直しの負担が大きくなります。


● 大きな投資の前に「測る」工程を置く

業務システムの導入は、数百万円規模になることもあります。高い買い物ほど、先に「測る」工程が要ります。いまの姿を 1 枚にしておけば、どこを変えると効果が大きいか、システムで解くべき課題はどれかを、投資の前に話し合えます。


● どのシステムを入れるかは、最後に決める

私たちは、どのシステムを入れるかを先に決めません。まず現場の話を聞いて業務の全体像を描き、そのうえで複数の選択肢から、その会社に合うものをお勧めします。


● 見えた課題の中には、システムなしで手を打てるものもある

流れが見えると、システムを入れなくてもすぐに手を打てる課題が見つかることがあります。大きな投資の前に、小さく試して効果を確かめられます。

4. 自社で始める見える化:最初の一歩

自社で始めるなら、1 業務に絞る、始まりと終わりを決める、関わる人・道具・情報の受け渡しを書き出す、詰まりどころに印をつける、の 4 つが最初の一歩です。

● まずは「1 業務」に絞る

生産計画づくりや翌日の配車、受注〜出荷のような、ひとつながりの業務の流れを 1 本選びます。1 本に絞れば、書き出す量も関わる人も限られ、短い期間で形にしやすくなります。


● どの業務から選ぶか

迷ったときは、まず部門の中で完結する流れから選ぶのが目安です。たとえば、工場の中で立てる生産計画や、翌日の配車を組む仕事です。その中で、最初の章の 6 つのサインが多く当てはまる流れや、担当者が休むと止まってしまう流れがあれば、そこが最初の候補です。

営業から工場へ、配車から経理へのように、部門をまたいで情報を受け渡している流れは、2 つ目以降に回すのがおすすめです。巻き込む人が増えるほど、進めるのが大変になるためです。


● 「始まり」と「終わり」を決める

選んだ業務の範囲を、先に決めておきます。受注〜出荷なら「注文を受けた時点」から「出荷した時点」まで、のように、具体的な出来事で区切ります。範囲を先に決めると、書き出しの途中で話が広がりすぎるのを防げます。


● 関わる人・使っている道具・情報の受け渡しを書き出す

範囲が決まったら、その中で起きていることを書き出します。書き出すのは、関わる人(営業・工場・出荷担当など)、使っている道具(Excel、紙の指示書、電話、ホワイトボードなど)、そして誰から誰へ、何が、どの道具で渡るかです。決まった流れに加えて、「この取引先だけは別の扱い」といった例外も、あわせて書き出しておきます。

図の形は「スイムレーン」(部門ごとに列を分け、仕事の順に矢印でつないだ流れ図)が基本です。専用のソフトがなくても、紙や付箋、ホワイトボードで始められます。



部門ごとに列を分けて仕事の順に矢印でつないだ、業務フロー図(スイムレーン)の基本の形
出典:自社制作

● 詰まりどころに印をつける

流れが書き出せたら、詰まりどころに印をつけます。目印にしやすいのは、同じ情報を別の場所に何度も入力している「二重入力」、前の工程の連絡や確認を待って仕事が止まっている「待ち時間」、特定の人しかできない・わからない「属人化」です。

印ごとに「どの工程で起きているか」「どんな影響が出ているか」を一言添えておくと、あとで改善の優先順位を話し合うときの材料になります。


●社内だけで進めるときにつまずきやすい点


社内だけで進めると、次のようなところでつまずきやすくなります。

・最初から全社・全部門を描こうとして、終わらないまま止まってしまう。1 業務に絞り、始まりと終わりを決めるのは、これを防ぐためです。


  • ・決まりどおりの流れだけを書いてしまい、例外の対応が図に残らない。毎日のルーチンの中にも、1 社だけ配送のルートが違う、途中で加工が入るといった例外は意外と多くあります。急ぎの注文・変更・返品や現場の抜け道も含め、こうした例外こそ「その人しかわからない」仕事になりやすいところです。


  • ・管理職や情報システム担当だけで書き、実際に手を動かす人に聞いていない。聞いたとしても、担当者が「自分のやり方を責められる」と感じると、ふだんのやり方は出てきません。書き出したものは、現場の担当者と一緒に確かめることが欠かせません。


  • ・図を作ること自体が目的になる。書き込みすぎて誰も読まない図や、粗すぎて詰まりどころが見えない図になり、作ったあとも更新されずに古くなっていく。

加えて、現場が忙しく、書き出しや聞き取りの時間そのものが取れないこともあります。「1 回で全部」を目指さず、1 業務・決めた範囲で、詰まりどころに印をつけるところまでをひと区切りにして進めるのがおすすめです。


5. よくある質問


担当者が休むたびに仕事が止まりやすくなり、二重入力などの手間が見えないまま積み上がります。年月がたつほど課題が絡み合い、どこから手をつけるか決めにくくなります。

部門の中で完結する業務のうち、同じ情報を何度も入力しているものや、担当者が休むと止まるものから始めるのがおすすめです。最初は 1 業務に絞ります。部門をまたいで情報を受け渡す業務は、巻き込む人が増えて進めるのが大変になるため、2 つ目以降に回しましょう。

できます。1 業務に絞って範囲を決め、関わる人・道具・情報の受け渡しを書き出し、詰まりどころに印をつけます。時間が取れない場合は、外部の手を借りる方法もあります。

必ずしもそうではありません。見えた課題の中には、システムなしで着手できるものもあります。私たちは、小さく試して効果を確かめ、どのシステムにするかは業務の姿が見えてから考える順番をおすすめしています。

6. まとめ

6 つのサインがいちばん多く当てはまった業務を 1 本選んで、紙に書き出してみてください。1 枚になった時点で、社内で改善を話し合う材料ができます。

書き出す時間が取れないときは、外の手を借りる方法もあります


marutto では、システム導入の前に 1 業務の流れを図にする「業務まるみえパック」をご用意しています。


大阪・関西の製造業・物流業(従業員 30〜300 名)の方を主な対象に、オンラインのヒアリング 2 回と報告会で、業務フロー図・課題一覧・即効施策のご提案をお渡しします。ヒアリングでは、決まった流れだけでなく、取引先ごとの例外の対応まで伺って図にします。


まずは無料のオンライン相談(30 分)で、いまの困りごとをお聞かせください。


無理な営業はしません。

お話を伺ったうえで、合わないと判断した場合は、その場で正直にお伝えします。


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最終更新日: 2026/10/08


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