顧客先で使う導入手順書を、AI エージェントに撮影・加工・公開まで任せた自社実践の事例です。今回の案件では、非エンジニアの担当者に環境設定を手順書だけでやり切ってもらうため、実画面のスクリーンショットに赤枠や注釈を入れた手順書が必要でした。従来こうした手順書は 1 冊あたり約 3 時間以上かけて手作業で作成していましたが、今回、社内 AI エージェントに任せる形に切り替えたことで 15 分程度に短縮し、レビュー指摘への修正は「指示表を 1 行直して再実行」だけで済む運用になっています。弊社のテックチームが主導し、2026 年 8 月から社内で活用中です。
目次
1. 背景と課題:なぜテックチームが手順書づくりの見直しに動いたか
2. 取り組み:AI エージェントに撮影から公開までを任せる
3. 効果:導入支援担当者の変化(Before / After)
4. 主導したテックチームの視点から見た変化と学び
5. よくある質問(FAQ)
6. お問い合わせ
1. 背景と課題:
なぜテックチームが手順書づくりの見直しに動いたか
marutto の導入支援業務では、案件によって、顧客先の担当者に環境設定や導入操作を最後までやり切ってもらうための手順書を作成することがあります。今回の案件では、非エンジニアの事務局担当者が読み手となる手順書が必要で、「手順書だけを頼りに、相手の環境で設定を完了できる」品質が求められました。
対象となった導入支援担当者の業務負荷
作り方はすべて手作業でした。1 画面ずつスクリーンショットを撮り、画像編集ソフトで赤枠や注釈を描き込み、Word に貼り付けて説明文を書く。機密値の塗りつぶし(マスキング)も 1 枚ずつ手で行うため、1 冊あたり約 3 時間以上かかっていました。今回の成果物と同等の品質まで綺麗に仕上げようとすると、さらに時間がかかります。
1 枚ずつ撮って加工していく作業そのものが面倒で、赤枠の太さや番号の振り方など、注釈の品質を手作業で揃えるのは現実的に難しい状態でした。レビューで指摘が入ると、該当画面の撮り直し・注釈の描き直し・貼り直しが発生し、やり直しの負担も大きい。手作業では品質と工数の両立が難しく、テックチームは「AI エージェントに一連の作業を任せられないか」を検証することにしました。
2. 取り組み:
AI エージェントに撮影から公開までを任せる
弊社のテックチームは、コード生成 AI ツールをベースに社内向けの「資料作成エージェント」を定義し、手順書づくりの一連の作業を任せる形にしました。エージェント定義(AI エージェントの役割・指示をまとめた設定ファイル)に手順を書き込むだけで、撮影から社内 Wiki への公開まで一気通貫で仕上がります。
・使用したツール:社内 AI エージェント(marutto の法人契約シートを割り当て・API 従量課金なし)
・追加インストールは画像処理ライブラリ1 つのみ
・ブラウザ画面の撮影は Chrome ブラウザとの連携機能で対応
・デスクトップアプリはウィンドウ単体キャプチャ方式で取得
・顧客の実データが映る箇所はマスキング済みで成果物に残さず、処理はすべて社内のローカル環境で完結
利用規約チェックも実施済みで、法人契約・出力物は自社業務での利用・機密値はマスキング済みの前提で問題なしと判断しています。
3. 効果:
導入支援担当者の変化(Before / After)
ポジション別 Before / After
● 導入支援担当者の 1 日:3 時間の作業が「完成物確認」だけに
これまで手順書 1 冊を作るには、半日近くを画面キャプチャと注釈作業に費やしていました。今は AI エージェントに依頼して 15 分待つあいだに、担当者は別の顧客対応や打ち合わせ準備に時間を回せます。完成物が上がってきたら、内容の妥当性と手順の抜け漏れだけを人がチェックする役割分担です。
● レビュー指摘の対応:指示表 1 行修正で完了
実際に手順書 1 冊のレビューで「メニュー階層の記述誤り」の指摘が入った際も、加工内容を管理する指示表の 1 行を直して再実行するだけで修正が完了しました。画面の撮り直しはゼロ。生画像を上書きせず、加工内容をすべて指示表で持つ設計のため、後戻りのコストがほぼゼロで済みます。
● 実績と納品先の反応
2026 年 8 月〜9 月時点で 2 冊の手順書を実際に納品しています。ID 管理サービスの設定手順書は実画面 8 枚・A4 換算 13 ページ、ツール導入手順書はコンソール画面 6 枚・A4 換算 8 ページ。納品先の顧客からも「かなり綺麗で分かりやすい手順書」と好評をいただいたとのことです。
手順書・マニュアル作成の負担を AI に預けたい方へ
「非エンジニアの顧客に操作を依頼するたびに、実画面つきの手順書を手作業で作っている」——そんな導入支援・カスタマーサクセスの現場向けに、marutto では AI エージェント派遣サービスを提供しています。
自社と同じやり方をそのまま持ち込むのではなく、御社の業務フロー・使用ツール・品質基準に合わせて設計します。詳細は記事末尾の相談窓口もあわせてご覧ください。
4. 主導したテックチームの視点から見た変化と学び
テックチームにとっては、手順書 1 冊にかかっていた半日近い時間が丸ごと空いたことが、まず大きい変化です。作業時間の圧縮だけでなく、担当者の役割が「作業者」から「最終確認者」に変わったことで、精神的な負荷も軽くなっています。
きっかけは、社内 AI エージェントがブラウザを自動操作して自分で動く様子を見たことでした。「それなら手順書も作ってもらえるのでは」と依頼してみたら、そのまま出来上がってきた。スクリーンショットまで綺麗に仕上がってきたのが、一番うれしい発見でした。
この自社運用を通じて得た気づきは、次の 3 つに集約されます。
① 作業の順番そのものが、品質を決める
エージェントに骨組みなしで画像から先に作らせると、本文の箇条書きと画像の丸番号が合わずに撮り直しが発生します。この失敗をきっかけに、本文の骨組みを先に書いてから画像を作る順番に固定しました。順番を守るだけで、品質のばらつきがぐっと減ります。
② 注釈の意味を先に決めておくと、成果物のばらつきが消える
赤枠は「押す・見る」、グレー枠+X は「使わない」というように、注釈記号に決まった意味を持たせて統一しました。ここが揃うと、読み手が迷わず視線を運べる手順書になります。書き手が変わっても品質が保てる仕組みです。
③ 元データを触らず、加工を宣言で管理する
生の画像を上書きせず、加工内容をすべてコードの指示表(画像 1 枚 = 1 行)で持つ設計にしました。おかげで、修正は表の該当行を直して再実行するだけで完了する運用になっています。レビュー指摘に耐える構造は、最初の設計段階で決まっていたということです。
このやり方は 1 本の説明ファイルにまとめて社内 Wiki で共有しているため、他のメンバーが自分の環境で同じ手順書づくりを再現できる状態にもなっています。エージェント定義を横展開できることが、今回の取り組みの再現性を担保しています。
5. よくある質問
弊社の実測値では、実画面 6〜8 枚・A4 換算 8〜13 ページ規模の手順書で 15 分程度(かからないこともある)です。ページ数が増えたり、加工の指示が複雑になれば時間は延びますが、手作業の約 3 時間以上と比べれば、圧倒的に短い時間で仕上がります。
マスキング(塗りつぶし)は加工指示表で必ず処理しており、生の画像を上書きしない設計です。マスキングの基準は「読み手が持ち帰ったとき害になる値」で、該当箇所は塗りつぶしで処理します(ぼかしではなく塗りつぶしのみ)。処理はすべて社内のローカル環境で完結し、顧客の実データが外に出ることはありません。
「必須の手順が漏れなく、正しい順番になっているか」の最終確認は人が行います。AI エージェントが撮影・加工・公開まで一気通貫で仕上げますが、内容の正しさの最終責任は人が持つ、という役割分担で運用しています。AI 単独完結ではなく、AI が作業を担い、人が最終確認するという分業が前提です。
システム導入・入れ替えを伴う全業種で活用できます。特に、非エンジニアの現場担当者に操作を依頼する場面が多い企業では効果が出やすいです。情報システム部門・導入支援部門・マニュアル整備が追いつかないバックオフィスなど、実画面つきの手順書を継続的に作る立場の方すべてが対象です。
弊社の AI エージェント派遣サービスでは、御社の業務フロー・使用ツール・品質基準をヒアリングし、それに合わせてエージェント定義を構築します。追加の大掛かりなインフラは不要で、画像処理ライブラリ 1 つの追加インストールで動く軽量な構成です。詳細はお問い合わせください。
6. お問い合わせ
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「導入支援やカスタマーサクセスの現場で、実画面つきの手順書を手作業で作り続けている」「レビュー指摘が入るたびに撮り直しが発生して、時間が溶けている」——そうした課題を抱える情報システム部門・導入支援チーム・マニュアル整備担当の方に向けて、marutto では AI エージェント派遣 サービスを提供しています。
自社で実際に運用している設計(本文骨組み先行・加工指示表管理・修正コストほぼゼロ)をベースに、御社の業務フローと品質基準に合わせて設計します。
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最終更新日: 2026/09/18








