物流現場のDXにおいて、標準機能に業務を合わせる「Fit to Standard」は、コストを抑え短期間でシステムを導入するための鉄則です。
しかし、標準機能だけでは解決できない「現場のこだわり」や「アナログ業務」をどう扱うかが、プロジェクト成功の鍵を握ります。
今回は、WMS(倉庫管理システム)の導入において、標準仕様を守りつつ、Microsoft Copilotを活用した外付けアプリによって「受注入力の自動化」を実現した事例をご紹介します。
01. 課題
■ 「Fit to Standard」と「AI要望」のジレンマ
物流トレーサビリティ向上のため、新たなWMSの導入を決定されたお客様でしたが、運用面で大きな懸念事項がありました。
● AIによるデータ取り込みの不可
導入するWMSは、コストとスピードを優先した「Fit to Standard(標準機能の活用)」が前提。お客様からは「AIによるFAX・受注データの自動取り込み」を強く要望されていましたが、これをシステム内部の機能として組み込むには膨大なカスタマイズ費用と期間が必要となり、現実的ではありませんでした。
● 膨大な手入力の負担
FAXやPDFで届く受注情報を、現場担当者がすべて手作業でWMSへ入力しなければならない状況でした。
● ミスと工数のリスク
入力作業による「膨大な作業工数」と、それに伴う「誤入力リスク」が、現場の大きな負担になることが予想されていました。
02. 解決策
■ Copilot搭載の外付けアプリで、WMSに手を加えずにDXを実現
maruttoは、WMS本体のプログラム改修(カスタマイズ)を一切行わず、「AI搭載の専用アプリを外付けで開発する」というアプローチを提案しました。
● WMS本体を汚さない「サイドカー」開発
WMS本体は標準仕様のまま維持し、Microsoft Copilotを搭載した専用アプリを外部に構築。これにより、将来的なWMSのアップデートを阻害することなく、低コストかつスピーディーな機能追加を実現しました。
● プロンプトエンジニアリングによる高精度生成
AIがFAX等の非構造化データ(自由形式のテキストなど)を解析し、WMSに取り込むための「データ素案」を自動生成する仕組みを構築。独自のプロンプト(AIへの指示)を内部実装することで、複雑な受注形式にも高精度に対応させました。
● 「AI下書き+人による補完」のハイブリッド運用
ゼロからの手入力ではなく、「AIが生成した結果を人間が確認・修正する」という運用フローを設計。AIが100%完璧でなくても業務が回る、現実的かつセキュアな仕組みを提供しました。
03. 結果
■ 「入力作業」から「チェック作業」へ。現場の働き方をアップデート
「Fit to Standard」というシステム導入の原則を崩さず、現場の利便性を最大化させることに成功しました。
● 作業工数の大幅圧縮
現場担当者の役割が、重労働な「入力作業」から、AIの結果を確認するだけの「チェック作業」へと変革。作業時間は劇的に短縮されました。
● データの信頼性担保
AIの出力を人間が最終チェックする「人とAIの協働フロー」を確立したことで、誤入力のリスクを極限まで排除。精度の高いデータ運用が可能になりました。
● 低コストでの課題解決
高額なカスタマイズ費用をかけず、汎用的なAI技術を活用することで、圧倒的なコストパフォーマンスでWMSの本稼働に漕ぎ着けました。

技術を「現場で動く形」に落とし込む
「管理」と「実行」を両立し、現実的な物流DXを加速させる
多くのDXプロジェクトが、「理想(AI化)と現実(システム制約)」の板挟みで頓挫します。
maruttoはPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)として全体を管理するだけでなく、今回のようにCopilotを活用したアプリ開発といった「技術的な解決策」をセットで提供します。
重要なのは、AIを完璧な魔法として扱うのではなく、人間とどう連携させるかという「運用の落とし込み」です。
標準化を守りつつ、現場の負担を最小限にする。
このバランスこそが、私たちが提供する実務型支援の真髄です。
物流システムの導入・AI活用にお悩みの方へ
「パッケージ製品の機能だけでは業務が回らない」
「AIを導入したいが、どこから手を付けていいかわからない」
といった課題をお持ちの方は、ぜひmarutto株式会社へご相談下さい。
現場に寄り添った最適なソリューションをご提案いたします。









