ビジネスが成長し続ける中、企業が常に優秀な人材を求めている一方で、採用活動は決して簡単な道のりではありません。
求人告知から大量の応募書類の選別、面接、そして煩雑な事務手続きに至るまで、各ステップで多くの手間と時間がかかります。特に、採用担当者が毎週何百もの履歴書を手作業で確認しなければならない状況では、採用パイプライン全体が停滞してしまう原因となります。
さらに、応募書類の量が膨大になると、応募者のキーワードが完全に一致しないなどの理由で、優秀な候補者が見過ごされてしまうリスクが生じます。これに加え、無意識のバイアスが入り込むことで、本来適格な候補者が簡単に見落とされてしまう可能性もあります。
その結果、採用チームは、不適格な応募者の面接に時間を浪費したり、採用ノルマのプレッシャーから質の低い従業員を採用してしまったり、あるいは部門内の燃え尽き症候群を引き起こしたりする状況に陥りかねません。
本記事では、採用プロセスにおけるこれらの根本的な課題を解決する、Odooの「AIを活用した応募者スクリーニング機能」について、その機能の仕組み、具体的な導入方法、そして企業にもたらす具体的なメリットを詳しく解説します。
AIを活用することで、採用チームはより少ない時間で、企業文化に適合し、熱意を持って働くより良い候補者を採用できるようになります。
【目次】
- 1. Odooの「AI応募者スクリーニング機能」とは
2. AIを活用した応募者スクリーニングのメリット
3. OdooでのAIスクリーニング機能の設定方法(使い方)
4. AIを活用した採用活動の全体的なメリット(活用方法)
5. まとめ:AIがもたらす採用チームの未来
1. Odooの「AI応募者スクリーニング機能」とは
OdooのAI応募者スクリーニング機能は、人工知能(AI)を利用して応募者を事前スキャンし、提出された経験やスキルに基づいて、その人物が募集ポジションにどの程度適しているかを自動的に判断する仕組みです。
このAI機能は、応募者が基準をどの程度満たしているかに応じて、応募者を「適格」または「不適格」のステージに自動的に移動させます。また、AIは決定理由を簡潔な要約として提供し、応募者の経験や資格を強調してくれます。
これにより、採用チームは応募者一人ひとりについて手動で深く掘り下げて確認する時間を大幅に削減できます。
これは、大量の履歴書選別という時間のかかる作業から採用チームを解放し、バイアスを排除しつつ、より迅速に優秀な候補者を特定できるように設計された、採用効率化のための強力なソリューションです。
2. AIを活用した応募者スクリーニングのメリット
- ● 応募者の質の劇的な向上
- 面接に進む応募者の質が、平均で35%増加します。
- ● 採用担当者の時間節約
- AIの助けにより、採用担当者は毎週約6〜12時間を節約でき、全体のスクリーニング時間を最大75%削減できます。
- ● 迅速な選別
- 応募が多数集まるポジションにおいて、適格な候補者のショートリスト作成を3倍速く行うことが可能になります。
- ● バイアスと見落としの排除
- AIによるスクリーニングは、人間の採用担当者が手動で履歴書を見る際に忍び込む可能性のある無意識のバイアスを防ぎ、キーワードが一致しないなどの些細な理由で資格のある候補者が見過ごされるのを防ぎます。
- ● 組織健全性の維持
- 不適格な応募者の面接に時間を費やすことや、質の低い採用、あるいは採用部門の燃え尽き症候群を防ぐことができます。
OdooのAIスクリーニング機能の導入は、採用プロセス全体にわたり、計測可能な具体的な効果をもたらします。
3. OdooでのAIスクリーニング機能の設定方法(使い方)
この自動化機能を利用するには、まず開発者モードを有効にし、「AI fields」モジュールをインストールする必要があります。AIによる応募者スクリーニングを設定する手順は、主に新しいフィールドの追加と、AIに対する処理の指示(プロンプト設定と自動化)から成ります。
ステップ1:必要な情報収集のためのフィールド設定
まず、応募者レコードに、AI評価のインプットとして使いたい新しいフィールド(例:居住国、資格の有無など)をStudio機能を使って追加します。次に、ウェブサイトの求人応募ページにも同様のフィールドを追加し、これらの回答が正しくマッピングされ、連携されるように設定します。
ステップ2:AI評価のためのプロンプト設定(AIへの指示)
応募者レコード内の「AI Assessment」タブにおいて、AIに何を考慮すべきかを指示するプロンプトフィールドを設定します。
①入力情報のマッピング
- ステップ1で追加した新しいフィールドを、フィールドセレクターを使ってこのプロンプトにマッピングし、AIが応募者から提供された情報を正確に読み取れるようにします。
②評価ロジックの設定
- AIに対して、評価が下せない場合の対応方法や、要約とスコアをどのような形式で出力すべきかなど、ステップバイステップのガイダンスを提供します。
ステップ3:AI評価に基づくステージ移動の自動化
AIに評価を依頼した後、その結果に基づいて応募者を自動的に次のステージに振り分ける自動化(オートメーション)を設定します。
- ①トリガーと条件設定
- 自動化を作成し、トリガーを「作成と編集」に設定します。

- アクションを実行する条件として、ドメイン設定で「AI評価」が「設定済み」であること、つまり評価が完了していることを指定します。
②アクションの実行
アクションとして「レコードの更新」を設定し、更新タイプを「AIで更新」にします。


- ③ステージ移動の指示
- AIに対して、評価結果をインプットとして使い、応募者を「適格」または「不適格」のステージに移動させるよう指示するプロンプトを設定します。このとき、ステージ名もレコードセレクターを使って正しくマッピングします。
この設定により、AIは応募者を自動的に0%適合の「不適格」ステージに移動させたり、適格な候補者を即座に「適格」ステージへ振り分けたりすることが可能になります。
4. AIを活用した採用活動の全体的なメリットと活用方法
AIスクリーニングは、採用チームの生産性を高め、企業全体にポジティブな影響を与えます。
AIがスクリーニング作業を代行することで、採用チームはより高度な活動に時間を割くことができます。具体的には、求人情報が適切なプラットフォームで適切なターゲット層に届いているかの確認や、対面での面接の実施など、人間的な判断や戦略的思考が求められる活動に集中できるようになります。
この生産性の向上は、採用チームの生産性を最大25%向上させ、結果的に採用までの期間を30%から50%短縮します。最も重要なのは、適切な人材(企業文化に適合し、熱意を持つ人材)をより迅速に確保できることであり、これはハイパフォーマンスな労働力の構築につながります。これにより、従業員満足度と士気が向上し、最終的に高い従業員定着率を生み出すことになります。
5. まとめ:AIがもたらす採用チームの未来
OdooのAIを活用した応募者スクリーニング機能は、大量の応募書類選別という採用パイプラインのボトルネックを解消し、より効率的で公平な採用プロセスを実現します。
AIは、応募者の評価を自動化し、資格のある候補者を見逃すリスクを減らすことで、採用チームに時間と戦略的余裕をもたらします。採用担当者は、事務的な作業から解放され、面接や採用戦略立案といった、より高い重要性を持つ活動に集中できるようになります。
AIの力を活用することは、単に採用を速くするだけでなく、企業全体の成功に不可欠な最良で最も適格な候補者を確保するための、未来志向の投資と言えます。
これは、採用活動が大量のメールや書類の山をふるいにかける作業から、より戦略的な人材マッチングへと進化することを意味します。
採用活動にお悩みでしたら、一度お気軽にご相談下さい。








