店舗での販売において、お客様が欲しい商品がちょうど品切れになっているという状況に直面することは、販売機会を失うだけでなく、お客様にとっても残念な経験となり得ますよね。
このような困った状況を避けるために、Odooには「後日配送(Ship later)」機能が用意されています。この機能を利用することで、たとえ現時点で在庫がなくても、お客様からの注文を受け付け、後日在庫が補充され次第、確実にお客様へ商品を届けられるよう配送を手配することが可能になります。
この記事では、この後日配送機能について、その概要と使い方、そしてどのように販売に役立つのかをOdoo公式動画を元にご紹介します。

※以下、掲載画像は「Ship later | Point of Sale」を参考にしていますので、画面は英語表記となっています。実際の画面は日本語に対応しています。
【目次】
■ POSの後日配送機能とは
■ 後日配送機能の使い方(基本的な流れ)
■ 後日配送機能の活用方法
■ まとめ
■ POSの後日配送機能とは
OdooのPOSアプリで利用できる後日配送機能は、お客様が購入を希望する商品が、手持ち在庫にない場合に、後日お客様のご自宅などへ配送することを前提に販売を確定することができる機能です。これにより、在庫切れによってお客様の購入意欲を損なうことなく、注文を受けることができます。
この機能は、在庫が補充された後に注文が確実に実行されるように、配送プロセスを手配することを可能にします。
■ 価格表機能の使い方(基本的な流れ)
実際に、後日配送機能を使うための基本的な流れを見ていきましょう。
1. 機能の有効化と設定
まず、POSアプリの設定画面で、後日配送機能を有効にする必要があります。
POSアプリを開いたら、「設定」メニューから「管理設定」を開き、「後日配送を許可(Allow Ship Later)」にチェックを入れ、後日配送機能をオンにします。
また、配送ポリシーは「全プロダクトが準備できてから(When all products are ready)」に設定し、設定変更後は必ず保存ボタンより保存してください。

2. POSでの販売処理
設定が完了したら、ダッシュボードよりPOSの販売画面を開いて販売を開始します。(該当店舗の「レジをオープン」を選択してください)
お客様が購入したい商品をカートに追加します。後日配送機能が役立つのは、在庫数よりも多く商品を販売する場合など、現在の在庫では注文を満たすことができない場合です。
3. 顧客情報の選択
後日配送を行うため、お客様の住所情報が必要です。お客様を選択する際には、システムに住所が登録されている顧客を選択してください。
4. 支払いと後日配送の選択
商品の追加と顧客の選択が終わったら、支払い画面に進みます。お客様からの支払い方法(例:現金など)を選択したら、「後日配送(Ship Later)」ボタンを選択します。
5. 配送日の指定
後日配送機能を選択すると、配送日を選択する画面が表示されます。お客様に商品を配送したい日付を指定してください。
6. 販売の確定
必要な情報を全て入力したら、「検証(Validate)」をクリックして販売を確定します。これでPOSでの操作は完了です。
7. バックエンドでの注文追跡
確定された注文は、Odooのバックエンドで追跡することができます。
POSアプリを開き、「オーダ」メニューから「オーダ」を選択して注文リストを開き、該当する注文を見つけます。
該当する注文をクリックすると注文の詳細画面が表示されます。画面上部に「ピッキング(Pickings)」というボタンが表示されています。
8. 商品の出庫伝票確認
ピッキングボタンをクリックすると、この注文に関連する出庫伝票が表示され、商品の出庫状況を確認することができます。
出庫伝票画面の右上に注文のステータスが表示されています。後日配送機能を使って在庫以上の数量を販売した場合など、必要な商品がまだ在庫にない場合、状態は通常「待機中(Waiting)」と表示されます。これは、在庫がない、あるいは別の操作のために商品の出庫が保留であることを意味します。
9. 在庫補充後の出荷準備
その後、商品が入荷するなどして在庫が補充されたら、出荷の準備を進めます。
出庫伝票の詳細画面に戻り、「利用可能確認(Check Availability)」ボタンをクリックします。必要な商品が在庫にあることが確認されると、製品在庫欄は「処理可能(Available)」に変わります。

10. 商品の出荷完了
商品の在庫が確保され「処理可能(Available)」の状態になったら、最終的に商品を顧客へ出荷する処理を行います。
出庫伝票の詳細画面で「検証(Validate)」ボタンをクリックします。この操作により、商品が在庫から出庫されたことになり、注文のステータスは「完了(Done)」に変わります。
これは、商品が最終的な目的地である顧客の住所に届けられたことを意味します。
■ 後日配送機能の活用方法
後日配送機能の主な活用方法は、在庫切れや在庫不足による販売機会の損失を防ぐことにあります。お客様が特定の商品を求めているにもかかわらず、その場で提供できない場合でも、後日配送機能を使えば後日配送を約束して販売を完了させることができます。これにより、お客様は希望する商品を確実に手に入れることができ、店舗側は販売機会を逃さずに済みます。
また、お客様に「在庫がないため販売できません」と伝えなければならない気まずい状況を回避し、顧客満足度を維持・向上させることにも繋がります。
在庫管理システムと連携しているため、在庫が補充されたタイミングでスムーズに出荷に取りかかることができる点も、効率的な販売・配送業務を実現する上で有効です。
■ まとめ
OdooのPOSアプリにおけるShip later機能は、手持ち在庫が不足している場合でもお客様からの注文を受け付け、後日配送を手配することができる便利な機能です。
この機能を活用することで、在庫切れによる販売機会の損失を防ぎ、お客様の満足度を維持することができます。
設定からPOSでの販売、そしてバックエンドでの追跡と出荷まで、一連の流れを通じて、在庫管理と販売プロセスを効率的に連携させることが可能です。








